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サイトの分析・改善を行う全てのマーケターが考えるべきマネタイズ公式

大手Eコマースサイトを運営するクライアントに良く聞かれることがあります。

「サイトの改善をすると実際どれくらいのROI(投資対効果)に繋がるのか?」

「提案された変更を実装した際、直接収入へ影響はあるのか?」

「収益を予測して施策化できるものなのか?」

これらの質問に対し私たちの答えは、すべて「イエス」です。

クライアントは必ずもう1つ重要な質問をしてきます。

「ECサイトを本当の利益へ繋げるには、大きく劇的な変更をしなければいけないのではないのか?」

こちらの質問に関して、答えは「ノー」です。

サイトの改善というのは、傍から見ると大した変化が見えません。例えば、キャッチコピーを少し変更するとか、フォームの項目を減らすという改善は、大きなキャンペーン施策と比べるとあまり大きな収益につながるようには思えません。

しかし、実はそのような改善はサイトの収益が大きければ大きいほど、テコとなって大きな収益につながります。では、なぜ先の質問のように小さな改善の重要性に疑問を持ってしまうのでしょうか?

それは、サイトの小さな改善がもたらす最終的な収益をきちんと計算していない点にあります。

「この改善をすれば、クリック率が150%になりますよ!」と言われるより、「この改善をすれば、100万円の収益になりますよ!」という提案のほうが誰しもが魅力的であるとわかります。

そこで、今回はサイトの小さな改善をするときに、最終的な価値(収益)が実際どれだけのものになるか、を導く計算式をご紹介します。この数式を使うことにより、インターネットでの顧客体験に必要な予算の追加や、解析ツールの導入費用などの費用対効果を考えれるようになるはずです。

計量経済学に基づいた、サイト改善による増加収益を導く計算式

この数式は、今までに様々なクライアントの分析をすることにより、ClickTale社が生み出した数式です。この数式を使うことにより、WEBサイトの最適化を行った時に利益がどのくらい上昇したかを予測できるようになるでしょう。

改善によるマネタイズの計算式が適用できる場面

まず、計算式の説明をする前に、この計算式がどのような場面で使用すべきかを解説します。この計算式の目的は「あるウェブサイトの改善が、最終的な収益にどれだけつながるかを予測するため」のものです。

例えば、あるECサイトの「コンテンツの配置を変える」「コールトゥアクションのボタンの文言や色を変える」といった小さな改善により、最終的な収益が100万円アップするだろう、という予測ができるということです。

これによって、もしあなたが代理店の方であればウェブサイトの解析から導き出した仮説が、どれだけの価値を生むのかをクライアントに提案することができますし、WEB担当者であれば小さなABテストがどれだけ自社に価値をもたらすのかを上司に説得することができるようになるでしょう

一つの改善で、どれだけの収益がアップするかを計算する

スライド3

以上をご覧ください。これが、改善によりどれだけ収益がアップするかを導き出す計算式です。一つ一つの式の意味を解説していきましょう。

■収益アップ

ここで言う収益アップとは、「ある改善によって増加が見込まれる収益額」を示しています。

■全体のコンバージョン率(%)

このコンバージョン率は、「サイト全体の全てのコンバージョンから導かれたコンバージョン率」です。基本的に、よく言われるコンバージョン率と同じ意味だと考えてください。

■平均購入単価(¥)

「ユーザーが一回のコンバージョンで購入した商品・サービスの平均価格」です。

■実際の改善によるコンバージョン数

「改善で増えたコンバージョン数」と考えてください。その導き方は次で解説します。

改善によるコンバージョン数の導き方

スライド1

さて、「実際の改善によるコンバージョン数」をどうやって導くかを解説します。計算式は「特定導線でのコンバージョン数」×「改善予測最適化率」です。

ここで、“特定導線”と言葉が出てきましたが、この特定導線は基本的に、「改善するページからコンバージョンまでのアクションを行う人が最も多かったサイトの導線」を指します。

例えば、「トップページでのファーストビューのコピーを変更する」という改善を行う場合、そのトップページから、コンバージョンをカウントするサンクスページまで一番多くの人が選んだウェブサイトの遷移の導線を、ここで言う“特定導線”と定義します。

スライド4

■特定導線でのコンバージョン数

このコンバージョン数は先ほど説明した「特定導線でウェブサイトを遷移し、コンバージョンした数の合計」です。

■改善予測最適化率(%)

少し難しそうに書きましたが、これは簡単に言うと「特定導線でのコンバージョン数の増加率」です。例えば、今まで月に100のコンバージョン数だったものが、改善により110のコンバージョン数となった場合、この数値は10%つまり0.1となります。

ですが、この計算式はあくまで「予測値」を導き出すものですので、その導き方は以下のようになります。

スライド2

■特定導線での離脱率(%)

「特定導線で改善対象のページからどれだけの人が離脱したか」を示すのがこの値です。例えば、ランディングページの改善を行う場合、そのページの離脱率がここに当たります。

■特定導線でのコンバージョン増加率(%)

これが最後の値です。この特定導線でのコンバージョン増加率が示す「コンバージョン」とは、「改善ページから特定導線の次のページに遷移すること」と捉えてください。例えば、ランディングページからお問い合わせページへの遷移が20%で改善施策後、40%となる予測を立てる場合、ここの値は100%(2倍の増加)となります。

基本的に今までの数値は全てこれまでのサイトのデータから分析することで導き出すことができます。ただ、この増加率だけはある程度、他の改善事例での結果や、その他のリサーチなどから考えなければいけません。

この予測値を仮説立てて考えられるかが、マーケターとして本領を発揮する場面です。

実際に改善からの売上を予測する

さて、以上サイト改善による増加収益を導く計算式を紹介しましたが、ここまでの式の定義を聞いてもわかりづらいところもあると思われます。そのため、ここからは仮想の改善ケースを想定して、その改善がどれだけの収益をもたらすかを一緒に考えてみましょう。(※実際、紙に書きながら計算してみましょう!)

Mission:アパレルECサイトを改善策を出し、その価値の重要性を上司に説得する

さて、あなたはアパレルECサイトのマーケティング担当です。今回、より売上を伸ばすために自社のランディングページの改善を行おうと上司に提案をしようと考えました。しかし、上司はあまりランディングページを細々と改善する価値をあまり認識しておらず、斬新なキャンペーンのアイデアばかり求めてきます。

先ほどの、マネタイズ公式を使って、上司にその価値を伝えてみましょう。

概要

まずは、このアパレルECサイトの現状です。

このアパレルECサイトは日本でも有数のサイトで、年間200億円を売り上げています。全体のコンバージョン率は業界の平均と言える3%を維持しています。

今回、改善しようとしている導線はリスティングやディスプレイ広告などの有料広告→ランディングページ→購入フォームの導線です。平均購入単価は20,000円、その導線のコンバージョン数は10,000、そしてンディングページからの離脱率は35%となっています。

ヒートマップで分析・改善

ここから、ランディングページ(以下、LP)を改善します。あなたは、LPをヒートマップで分析したところ、ページ上部のコンテンツよりも、下部のコンテンツのほうがユーザーに良く見られていることを発見しました。

そこで、よりユーザーに注目されているコンテンツを見てもらうため、下の写真のようにコンテンツ位置を変更しようと上司に提案することに決めました。

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(※イメージ図)

そして、あなたは実際の様々な事例をリサーチすると、このLPのコールトゥアクションのクリック率が1.5倍になるだろうと予測できたのです。

つまり、このLPから次のフォームに遷移する「特定導線でのコンバージョン増加率」は50%増加するという見立てです。

改善の価値を導き出す

それでは、この改善がどれだけの価値(収益)につながるかを導き出してみましょう。

まずはじめに、 改善予測最適化率を計算します。

スライド2

特定導線での離脱率が35%、コンバージョン増加率の予測が50%だったため、改善予測最適化率は0.35×0.50=0,175(17.5%)となります。

次に、ここから実際の改善によるコンバージョン数を計算します。

スライド1

特定導線でのコンバージョン数は10,000、改善予測最適化率が17.50%なので、実際の改善によるコンバージョン数は10,000×0.175=1750となります。

最後に、一つの改善によって、どれだけの収益が得られるかを計算しましょう。

スライド3

全体のコンバージョン率が3%、平均購入単価が¥20,000、実際のコンバージョン数が1750なので、最終的な収益アップの金額は0.03×¥20,000×1750=¥525,000となりました。

これによって、一つの改善がどれだけの価値を生むのかを予測することができました。ここまで考えられれば、上司への提案は簡単です。「この改善をすれば50万の売上が上がります!すぐにやりましょう!」と具体的な収益を説明してあげればいいのですから。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回、紹介したマネタイズの公式は少し難しかったかもしれません。

しかし、サイトの分析や改善を行うマーケターにとって「自分の仕事がどれだけの価値を生むのか」をきちんと予測、把握し、きちんとクライアントや上司に説得できる力はビジネスを行う上で必須スキルです

ただ単に、「クリック率が上がった!」「離脱率が下がった!」と喜ぶのではなく、今回ご紹介した公式を利用し、最終的な収益にコミットできる分析や改善を行っていきましょう。

参考:The Formula for Monetizing Your Website’s Optimization

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